グリシルグリシンとは?アゼライン酸やレチノール等と併用時の相性や違いも解説!

「毛穴トラブルや肌荒れは気になるし、肌が乾燥してくすんで見える……」

このようにお悩みの方に注目してほしいのが、アミノ酸由来の整肌成分「グリシルグリシン」です。

グリシルグリシンは構造が安定しており、比較的手頃な価格で取り入れやすい点が魅力的な整肌成分といわれています。

保湿しながら皮脂バランスを整える二面性をもち、敏感肌でも使いやすい傾向にあります。

本記事では、グリシルグリシンとは何かという基本から、ほかの美容成分との併用相性についてまで、わかりやすく解説します。

グリシルグリシンの基本的な特徴
  • アミノ酸「グリシン」2つがくっついた、アミノ酸由来の低刺激成分。
  • 人の肌(角質層)にも少量存在しており、天然保湿因子(NMF)のひとつ。
  • 化粧品成分としては皮膚の水分保持やキメ調整目的で使われる場合が多い。
  • 乾燥によるカサつきを防ぎ、肌や皮脂バランスをすこやかに保つケアがに向いている。
  • アゼライン酸やナイアシンアミドとの相性が良いと言われている。
  • 強いピーリングや高アルカリ性の成分とは時間を分けて使うのがベスト。
せりぽよ

本記事は一般的な化粧品成分情報の提供を目的としています!

目次

グリシルグリシンとは?

グリシルグリシンの構造イメージ

グリシルグリシン (Glycylglycine) は、アミノ酸「グリシン」が2分子結合した低刺激性なアミノ酸由来成の分です。

化学式はC₄H₈N₂O₃で、天然保湿因子(NMF)の一種であるアミノ酸由来成分でもあります​。もともと人体の角質層中にも微量ながら存在し、カニや魚介類などにも含まれる身近な物質です​。

化粧品成分としては「整肌・保湿成分」に分類され、皮膚の水分保持やキメ調整を目的に配合されやすい成分です。

近年では毛穴が目立ちにくい肌を目指す処方で活用される成分として注目されており、毛穴が目立ちにくく、なめらかな印象の肌を目指した化粧品で使われています。

グリシルグリシンが向いている肌質の特徴

グリシルグリシンは、とくに乾燥肌や敏感肌の方におすすめの成分です。

低刺激で保湿力が高いため、乾燥による肌荒れやカサつきを防ぎ、しっとり感を保つサポートが期待できます。

また、脂性肌や混合肌の方にも適している、テカリを防ぎ、皮脂のバランスを整える効果が報告されている成分です。

参考:スキンケア化粧料における素材開発と留意点|日本ペプチド学会

乾燥などで揺らぎやすい肌を、すこやかに保つ働きが報告されている成分でもあります。

そのため、肌荒れを繰り返しやすい方も使いやすいのが特徴です。

以下のいずれかに該当する方は、グリシルグリシンと相性が良い可能性があるので、チェックしてみましょう。

グリシルグリシンが向いている方の特徴
  • 皮脂が多くてTゾーンのテカリが気になる
  • 毛穴が開いてるように見え、毛穴の存在感が気になる
  • 肌の表面の皮脂が多くてベタつきが気になる
  • 角質の乾燥で肌荒れしたり毛穴が開いたりする
  • 皮脂でベタつく部位と乾燥が気になる部位が混在している

グリシルグリシンに期待できるスキンケア効果

グリシルグリシンは、さまざまな肌トラブルにアプローチする成分として注目されています。

とくに、テカリを防いだり乾燥による肌荒れを防いだりするだけでなく、保湿サポートなども期待できるのが特徴です。

これらの効果によって、多数の肌トラブルや毛穴トラブルをケアできます。

いちご鼻|グリシルグリシンとは?グリシルグリシンに期待できるスキンケア効果

そもそもとして、毛穴はパカッと開くわけではありません。

多く出過ぎた皮脂や汚れが毛穴に溜まり毛穴が数㎜程度押し広げられているような状態のため、見た目では毛穴が目立って見えると表現するのが科学的には正確です。もしくは、角栓ができている場合もあります。

実際にはわずかに開いているだけですが、皮脂の量が多いと毛穴が大きく見えがちです。

皮脂の過剰分泌が起きる理由のひとつは、肌の内側で起きている水分不足が一因です。肌表面の水分が蒸発しないよう、体が皮脂を必要以上に分泌してしまいます。

グリシルグリシンはアミノ酸由来の保湿効果が科学的に確認されており、肌の水分保持を高め、基本的な肌が元気であろうとする力にアプローチします。

この作用により、角質層の水分バランスを整え、肌の乾燥を防ぐ効果が期待できます。

グリシルグリシンを使う場合の注意点

グリシルグリシンは低刺激性の特徴があり、とくに敏感肌の方にも使いやすい成分です。

また、肌のpH値を弱酸性に寄せる作用があると語る研究もあるため、肌の潤いが保たれやすい弱酸性の肌を目指したい方にもおすすめできます。

参考:Amino Acids and Their N-Acetylated Derivatives Maintain the Skin’s Barrier Function|Chemical and Pharmaceutical Bulletin

スクロールできます
肌質注意点
敏感肌低濃度から始め、刺激を感じたら使用を中止する。
乾燥肌保湿成分と併用すれば、より効果的に使用できる。
脂性肌皮脂のバランスの調整を期待できる。
混合肌Tゾーンなど皮脂の気になる部分に重点的に使用する。

ただし、どのような成分でも合う合わないは個人差があります。初めて使用する場合は、パッチテストで相性を確認しましょう。

グリシルグリシンとほかの美容成分は併用できる?

グリシルグリシン単体では自分の悩みをどうにかできそうにないと感じた場合、多くの方がほかの美容成分との併用を考えるでしょう。

例えば、以下のような美容成分はよく相性を確認されやすいです。

併用相性が気になりやすい美容成分の一例
  • ナイアシンアミド
  • アゼライン酸
  • ビタミンC誘導体
  • レチノール

具体的に、それぞれの美容成分とグリシルグリシンの相性について解説します。

ナイアシンアミドとグリシルグリシンは併用時に相性が良い組み合わせ

ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種で、皮脂トラブルをケアしたり、潤い溢れるクリアな肌を目指せたりなど、さまざまな効能を持つ成分です。

グリシルグリシンとナイアシンアミドと相性が良く、併用すると毛穴トラブルや皮脂によるテカリ、乾燥にともなう肌荒れなどを防ぎながら明るい印象を目指せます。

とくに、毛穴や皮脂の肌トラブルで悩んでいる方におすすめの組み合わせです。

アゼライン酸とグリシルグリシンも併用時に相性が良い組み合わせ

アゼライン酸は、肌を清潔に保ったりキメを整えたりする効果のほか、肌をなめらかに整えたい方向けのケア化粧品に用いられています。

グリシルグリシンとアゼライン酸は、どちらも肌荒れを防ぎつつなめらか肌を目指せる成分同士のため、相性が良いと言われている組み合わせです。

参考:AZELOYL-GLYCINE: A NEW ACTIVE IN SKIN DISEQUILIBRIUM|ISPE SRL & Sinerga(イタリア・ミラノ)

ビタミンC誘導体とグリシルグリシンの併用相性は普通

ビタミンC誘導体は、肌をすこやかに保ち明るい印象を目指せる成分です。

グリシルグリシンとビタミンC誘導体は、併用するとそれぞれの特長を補完し合えます。

ただし、ビタミンC誘導体はさまざまな種類がある美容成分です。配合されているビタミンC誘導体によっては刺激が強いものもあるため、注意してください。

併用する場合は、低刺激なビタミンC誘導体を選び、濃度や使用頻度を調整しながら、肌の反応を見ながら慎重におこないましょう。

レチノールとグリシルグリシンの併用は慎重に

レチノールは、ビタミンAの一種で、ハリのある肌を目指したいときに用いられる成分です。

しかし、刺激が強く、レチノイド反応(A反応)と呼ばれる皮膚の赤みや乾燥、皮剥けなどの副作用が出る場合があります。

グリシルグリシンは低刺激ですが、レチノールとの併用は肌への負担が大きくなるリスクがゼロではありません。

併用する場合は、レチノールの濃度を低くしたり、使用頻度を減らしたりと、慎重に進める必要があります。

最初は別々に使用し、肌の反応を見ながら徐々に併用していくのがおすすめです。

肌質別・悩み別のおすすめの組み合わせ

グリシルグリシンは、幅広い肌質や悩みに合わせて使用可能です。

効果的な併用成分を選べば、互いの特長を補い合うように使えます。以下の表では、肌質や悩みに合わせて、グリシルグリシンと併用をおすすめする成分を紹介しています。

スクロールできます
肌質・悩み併用成分の一例期待できる効果
脂性肌・肌荒れアゼライン酸
ナイアシンアミド
皮脂のバランスを整え、
乾燥による肌荒れ予防
乾燥肌・敏感肌セラミド
ヒアルロン酸
乾燥を防いで肌のうるおいを守り、
肌のバリア機能をサポート
キメの荒さや毛穴トラブルビタミンC誘導体
(低濃度)
肌への潤い補給
皮脂バランスの調整
乾燥由来の小ジワレチノール(低濃度)、ペプチドハリ感を与え、
ふっくらとした肌印象をサポート

敏感肌の方は、とくにレチノールやビタミンC誘導体との併用には注意が必要です。

低濃度から始め、刺激を感じた場合は使用を中止しましょう。パッチテストの実施もおすすめです。

併用する成分によっては、効果が薄れたり、逆に刺激を増強させてしまったりする場合もあります。

それぞれの成分の特性を理解し、適切に組み合わせを選ぶのがポイントです。

不安な場合は、皮膚科医に相談しましょう。

グリシルグリシンについてよくある質問

最後に、グリシルグリシンについてよくある質問に回答します。

グリシルグリシンはどのような毛穴悩みと相性が良い?

グリシルグリシンは肌のキメを整える作用があるため、皮脂バランスの崩れによるテカリや毛穴トラブルなどへの効果が期待できます。

肌のキメを整える効果だけではなく保湿力も高いため、乾燥による毛穴の目立ちが気になる方におすすめです。

ただし、すべての毛穴悩みに効果があるとは限りません。不安な方は事前にパッチテストや少量からの利用をおこない、自分の肌に合っているかを確認しましょう。

グリシルグリシンを使う上での危険性はある?

グリシルグリシンは、アミノ酸の一種であるグリシンが2つつながった、比較的安全性が高い成分とされています。

しかし、アレルギー反応が起こる可能性はゼロではありません

初めて使用する場合は、パッチテストをおこないましょう。

また、高濃度で使用すると刺激を感じる場合があるので、使用量には注意が必要です。使用方法を守り、正しく使用しましょう。

肌に異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科医に相談してください。

毛穴以外にグリシルグリシンがおすすめな悩みは?

グリシルグリシンは皮脂のバランスを整え、肌をすこやかに保つ効果を期待できるため、年齢を問わず頬や小鼻に関する悩みやテカリなどをケアしたい場合に活用できる成分です。

また、肌のバリア機能をサポートする効果も期待できるため、乾燥肌敏感肌の方におすすめな成分でもあります。

ただし、効果には個人差があるため、自分の肌状態に合わせた使用が大切です。

肌悩みグリシルグリシンの効果
毛穴の開き皮脂のバランスや肌のキメを整える
皮脂によるテカリ・ベタつき皮脂のバランスを整える
肌荒れ皮脂トラブルや肌荒れをケアし、滑らかな肌へ
乾燥によるくすみ明るい笑顔が似合う肌へ
乾燥肌・敏感肌乾燥を防ぎ、肌のうるおいを守る

グリシルグリシンを適切に使って悩みをケアしよう【まとめ】

グリシルグリシンは、アミノ酸の一種で、とくに脂性肌の方や肌荒れしやすい方のケアに役立つ成分です。

毛穴の開きや黒ずみ、皮脂バランスの崩れのような悩みにアプローチし、肌のキメを整える効果が期待できます。

ナイアシンアミドやアゼライン酸との組み合わせなら相乗効果が高く、毛穴が目立ちにくい滑らか肌へ近づけます。

まずは1~2%濃度の美容液でパッチテストから始め、肌状態を見ながら取り入れてみてください。

自分の肌質や悩みに合わせて、最適な成分と組み合わせて使用し、グリシルグリシンの効果を最大限に引き出し、健やかな肌を目指しましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアしていただけると嬉しいです
目次